ロシアW杯グループH日本-セネガルの感想

NHKのニュースでコロンビア戦後チケットを購入する人が激増したらしく、スタジアムからは日本コールがはっきりと聞こえてきた。チケットって意外と余っているものなのですね。

 

コロンビア戦同様、両チームとも慎重な立ち上がり。最近のトレンドって最初からハイペースで入らないのかな。それともW杯特有なのだろうか。

 

セネガルはどのポジションにおいても1vs1の球際が強く、少しでも判断が遅れるとすぐに寄せられてしまう。徐々に押し込められる日本。

 

見送ってもよかったかもしれないクロスを原口が一生懸命クリアしたボールがサバリの足元にピタリ。密集したペナルティエリア内でなぜかあのスポットだけフリー。ライン際にマネがスッとポジションを前に詰める。川島目線で見ると超絶ピンチ。キャッチングにいくとマネが先に足をチョンと出してゴールもあり得た。キャッチをミスっても同じこと。パンチングするにも高く弾き返せる高さに来なかったため、ほぼCKに逃げることしかできなかっただろう。試合後のインタビューで「前(マネ)が気になった」と述べていた。判断が間に合わず、パニックに陥りミスを招いたように見えた。

ちなみにごにょごにょして海外の番組を見ていたら、コロンビア戦のFKの映像をわざわざ持ってきて、合わせて2つのひどいミス(terrible mistakes)と酷評されていた。ただ、その後ニアンとの1vs1でセービングしたシーンは賞賛されていた。

 

失点後の日本はパスの出しどころを常に探してる感じ。セネガルのハイライン&ハイプレッシャーによってテンポが出せず、自分たちのサッカーをさせてもらえない。長谷部が下がって一時的に3バックのような形になり、守備的MFが柴崎1人のため、パスの預け先が限定されてしまっていた。

 

プレスがきついときは、DFラインの裏にある広大なスペースを狙いましょうと、どこかの戦術本に書いてあることだろう。比較的プレッシャーの少ない位置まで下がった柴崎から、精度の高いロングパスが放たれる。セネガルDF2人を置き去りにする長友のスーパートラップから乾と入れ替わり、針の穴を通すようなシュート。左45度。あなたはティエリー・アンリですか?って感じです。こんな攻撃できるんかい!

 

あと地味に、前半終了間際のセネガルFKにおけるライン守備(オフサイドトラップ)もすごい。あれは勇気が必要。3番の昌子が一番後ろにいて成否を担っていましたね。しっかし、いつ練習してるのかね?って感じです。こんな守備できるんかい!

 

ロッカールームに戻る際、マネとマヤが話してましたね。マネとマヤですよ。大事なことなので2回言いました。

 

後半に入っても一進一退。日本のしつこい守備にニアンが冷静さを欠く。こんなハズじゃなかったのに、いつも通りやれば勝てるのに、そんな風に思っていたのでは。

 

60分から怒涛の3連続ビッグチャンス。柴崎の半端ないダイレクトクロスに大迫のこれまた半端ない・・・。半端ないプレッシャーかかるんだろうな。

大迫のヒールから乾のコースを狙ったシュートなんてあと数cmの世界。本当に上手すぎてごちそうさまです。

しかし、いい流れの時にゴールを決め切らないと苦しくなるなんてのはよくある話で。流れというものは、色々議論があるでしょうが、人の心理状態なんですかね。

 

その失点シーンでは、まずマネがうまい。2人に囲まれても平然と間を浮かせて通してくる。そしてまたもやサバリが、今度は突破からチャンスをつくる。対応した柴崎の股の間を抜けるクロス。

乾はあのとき中央にポジションを取っていた。恐らくカウンターに備えていたのだろう。そのため高い位置を取っていたSBのワゲを見ていなかった。長友も別の選手を見ながらボールを見ていたので背後の加速に気付くことは難しかった。セネガルは両SBを非常に高い位置で攻撃的に使い、リスクを取っていた。

前のプレイでボールを奪われた責任感から長い距離を全力で戻り、カードと引き換えに決定的なチャンスを潰すディールをした乾は素晴らしかったのだけどな。

 

セネガルのCBはツインタワーで目立つんだけど、GKとの意思疎通はちょいちょいズレていたように感じた。それを見抜いてなのか大迫がふんわりしたクロスを入れると、サネが余裕で競り勝っていたのにGKエンディアイェがわざわざ飛び出してきて自ら混乱を招いた。岡崎と一緒に潰れるGK。ファーサイドの乾はこぼれ球を冷静にダイレクトで中へ折り返す。この精度もすごかった。そして、本田さあああああああん。ブワッ。

海外メディア「彼は日本のレジェンドだ」←まだ引退してないのだが。

 

終盤になっても長谷部、柴崎のこぼれ球への出足が素晴らしかった。スピードに乗って前を向いてボールを奪えると一気にチャンスになる。ああいうプレイは世界を感じる。

 

すごくざっくりした感想なのですが、今の代表チームって、点の取り合いを制していくしかないのかなと思います。引かされたたときの守備がどうも不安定。西野監督は多くのチャンスをつくってたくさん点を取りたい人だし、選手もそれを望んでいると思う。

いうなればイタリアから来たいいおじさんザッケローニの忘れ物を取りに行っているのだ。あともう少し。