「中田英寿20年目の旅」感想
いやぁ、サッカー好きにはたまらない、素晴らしい番組だった。中田英寿が在籍したイタリアの5クラブを訪れ、当時のエピソードやサッカーのこと、街のこと、出会ってきた人たちのこと、代表のこと、そして人生についても語った。少しだけNAKATAに迫れた気分になれる。聞き手はスポーツジャーナリストの金子達仁氏。
印象に残ったことは、プロになりたいとか、W杯で優勝したいとか、そういうことよりも、彼が純粋にサッカーが好きでプレーしてきたのだということ。代表でのプレーぶりを見ていても、それが彼に与えられた役割であったからだろうか、誰よりも勝利にこだわっていたようにも見えた。しかし、その根底にはサッカー少年のような純粋さがあったことに気付き、新鮮な感動を覚える。もっと大きなクラブに行っていてもおかしくないとしばしば思っていたのだが、高校時代を含めて、彼が渡り歩いてきたクラブを見ると、何を求めていたのかが垣間見える。
サッカーは言語であり、究極的にはサッカーを通じた交流こそが彼の求めていたものだったのかもしれない。
笑ってしまうエピソードやバティストゥータとの対談、チームメイトの話、スタジアムとロッカールームの様子、流暢なイタリア語を話す様子、当時のプレー映像などなど、120分があっという間に過ぎる。よい試合は時間が過ぎるのが早い。
AbemaTVで今のところ無料で視聴可能。番組概要でクレジットされているスタッフが2名(?)というのもまたすごい。地上波で放送してほしいくらいだし、次回作も期待したいくらい素晴らしい番組だった。
2019.3 追記 公開期間が終了したようだがNumber PLUSでまとめられている。
ある意味一番見たかったシーンは予算か権利の関係か不明だが、youtubeで見ることにしよう。