サッカー日本代表ボリビア戦の感想

2019年3月26日 ノエビアスタジアム神戸 親善試合

 

日本は守備陣を中心にフレッシュな顔ぶれが揃った。ボリビアについては情報がまったくなかったのだが、攻撃はカウンターとセットプレーに少し脅威があるくらいで、それほど警戒すべき相手ではなかったのかなと。ただ、守備は寄せもスライドも速く、なかなかバランスが崩れなかった。中央に切り込ませないことと、縦パスを簡単に収めさせないということに対して、常に2人以上の選手で対応していた。

 

したがって、右サイドでのパス交換から宇佐美が大きくサイドチェンジして乾につないだシーンなど、サイドを広く使う攻撃が有効だった。LSB安西は初スタメンで連携もおぼつかないなかで積極的に攻撃参加はしていた。願わくば右の西も相手の背後を狙うような動きをもっと見せて欲しかった。さまざまな選手を試したかったのかもしれないが、サイド攻撃を活性化させる意味で、後半から室屋の方がよかったのでは。

 

ワントップに入った鎌田はサイドに流れたり、中盤まで下がってボールを受けたりしながら攻撃を組み立てようとしていた。空いたゴール前のスペースには香川が入るなど、スペースを作る、スペースを使うという関係は出来ていた。ただ全体的に足元でボールが止まることが多く、連携と距離感がダイレクトプレーができるほどにはなっていなかった。結局日本の攻撃はコンビネーションだと思うので、明らかに守備を固めているボリビア相手に攻撃が上手くいってなかったのだから、試合中でもお互いにもっと要求するとか、試合のなかで修正していくところも見たかった。

 

後半になっても同じ状況が続き、65分過ぎにいつものメンバーに交代となった。カウンターはボリビアのミスから。ミスを誘ったプレッシャーとも言えるが、ややラッキーだった。ただ、中島のシュートは素晴らしかった。完全に目線は中に折り返すフリをしながらDFの股を通し、狭いニアサイドを鋭く抜いた。

 

その後は前掛りになったボリビア相手にある程度自由にやれたのではないだろうか。

 

結局日本代表の根本的な課題は解決しないまま、コパアメリカ参戦まで6月の親善試合2つを残すところとなった。大迫が不在のときにワントップをどうするか、ワントップがダメならフォーメーションをどうするか、試合中にコミュニケーションを取って修正すること、セットプレーの工夫、こういった課題がどのように解決されていくのか注視したい。