サッカー日本代表-エルサルバドル戦の感想

2019年6月9日、ひとめぼれスタジアム宮城サッカー日本代表vsエルサルバドル代表の親善試合が行われました。日本はトリニダード・トバゴ戦に続き、3-4-2-1を採用し、永井の2ゴールで2-0で勝利しています。この試合について、新システムがどのように改善されたのかを中心に簡単に振り返ってみます。

試合の概要

日本 エルサルバドル
後半 前半 チーム合計 前半 後半
48.9% 支配率 51.1%
7 8 15 シュート 1 0 1
0 3 3 CK 3 1 2
7 2 9 直接FK 29 10 19
2 0 2 間接FK 2 1 1
1 0 1 オフサイド 2 1 1
0 0 0 PK 0 0 0
0 0 0 警告 2 0 2

日本サッカー協会 公式記録より筆者作成

日本は早めに2得点を奪い、後半は30分あたりまでエルサルバドルのペースだったため、日本が圧倒的に支配して勝ったという試合ではありませんでした。

エルサルバドルの直接FKが30弱で、いかに日本が前線から激しくプレスをかけ、球際厳しく行っていたかを示しています。

日本のフォーメーション

日本代表エルサルバドル戦のフォーメーション

日本は1トップにスピードのある永井を起用し、2列目に南野、WBに原口、伊東という超攻撃的フォーメーションを採用しています。もはや5トップです。特にこの試合は原口が中に切れ込むシーンがあり、サイド一辺倒だった前回より攻撃に幅が出せていました。

短期間での高い修正能力

前回は中央のバイタルエリアをうまく使えず、前線3人のコンビネーションが十分に発揮されませんでした。この試合では1トップの永井は裏のスペースを狙い、堂安や南野は間に入ってボールを受けるシーンが見られました。相手DFからすると永井を警戒すると2列目の選手にスペースを与えてしまうので、日本のこの戦術はうまく機能していたといえます。

また、2ゴールはいずれも3バックの両サイドに位置する富安と畠中のパスで、相手DFラインの背後を突いたところから生まれています。こういったところを見ても、この短期間でよく修正したなと驚きました。森保監督の指導も的確なのでしょうし、それにすぐ応えられる選手の対応能力も素晴らしかったと思います。

収穫はそれほど多くない

少々リスペクトは欠きますが、エルサルバドルは特に守りを固めるわけでもなく、特別警戒するような選手がいたわけでもありませんでした。今後のアジアでの対戦や、コパ・アメリカの格上の相手との対戦を考えると、この試合がどのようにつながっていくのかやや疑問です。アジア2次予選で1つのオプションとして使えればよしという感じでしょうか。さすがに南米の強豪相手に5トップまがいで挑むのは危険だと思います。

久保は"サッカー"がうまい

よもやの永井の負傷交代からフォーメーション変更とあり、後半は相手ペースで時間が過ぎました。久保はチーム最年少ながらこの悪い流れを断ち切り、違いを魅せて存在感を示しました。(余談ですが最年少というと森本貴幸のイメージだったのですが、森本の代表デビューは21歳ごろのようです。)

ちょこちょこハイライトなどでは見ていたものの、フルマッチで久保を見たのは初めてでした。昔、中田英寿氏が元バルセロナのシャビ・エルナンデスを評して、「彼は"サッカー"がうまい選手だ」と言っていました。単にパスがうまいとかドリブルがうまいとかだけでなく、判断の正確さや視野の広さ、創造性、強かさなど、サッカーがトータルでうまい選手という意味が込められていると感じます。久保のプレーを見ながらそんなことを思い出しました。今後も面白いプレーを続けていってほしいと思いますし、なかなかこういう選手はいないので、違いをつくれる選手になれると思います。

まとめ

今後の試合でどれだけ活かせるかというとやや限定的な気もしますが、日本代表は3バックに一定の手応えを得ることができたのではないでしょうか。次は女子W杯のほうをウォッチしていきます。