ネット検索を使った学習法について
「書籍では体系化された知識を獲得できるが,ネット検索では断片的な情報を読者が体系化しなければならない」という考えに納得させられた.ネット検索を用いた効果的な学習について,取り急ぎ思い付いたことをまとめる.
メタ認知が大切
断片化された情報を統合し,体系化していくためには,メタ認知が必要となるだろう.「この情報はどんな情報か,他の情報とどう関連しているか」のように一段階抽象化して情報を捉えるのである.
メタ認知によって「この情報は自分にふさわしいか,真偽はどうか,次にどんな情報が必要か」など,評価をしたり次の方向性を検討したりすることが可能になる.
サイトを使い分ける
各サイトの情報は断片的でバラバラだから,目的に応じて使い分ける必要があるだろう.例えばサイトAが概要を解説,サイトBが入門の解説,サイトCがケースごとの解説というのはよくあることだ.
ここでもメタ認知が必要になる.そのサイトが入門なのか専門家向けなのか,判定が必要である.どんなレベルにある人が書いているのか,どんなレベルの読者を想定しているのか,何を目的としているのかといったことを念頭に置いて読むとよいだろう.
その上で理解が難しいと感じたら,さらに基礎に立ち返って調べ直す.「初学者」,「ビギナー」,「超初心者」といった学習レベルを表す単語とともに検索する.
また,例えばプログラミングの個別の言語について学習していて分からなくなったとしたら,一旦プログラミング自体について調べ直すといった場合も考えられる.より根本的な枠組みに戻っていくということである.
意味の分からない単語はすぐ調べる
意味の分からない単語が出てきたらすぐに調べるようにする.文章の意味が分からないことの多くは,単語の意味が分からないことに起因する.
特に専門用語は多様で複雑な意味が含まれていることも多い.意味の分からない単語が頻出するということは,その文章のレベルが読者に合っていないということでもある.
解説する立場になったら
このように考えてみると,自分がなにかの解説記事を書くときは「どのようなレベルの読者を対象にするか」に注意を払う必要があるだろう.文章の冒頭で示しておくと親切かもしれない.
できれば単に「初心者向け」とするだけではなく「○○についてよく分かっていない人向け」や「△△ができない人向け」など,具体的なレベルが示されているとよりよいだろう.
KW:メタ認知,検索,学習法,体系化