ロシアW杯決勝トーナメントに寄せて

これからW杯は決勝トーナメントを迎える。ここからは何も日本だけでなく、どのチームにとっても厳しい戦いが続いていく。

 

唐突だけれども、強いチームは基準を持っていると思う。ベースとなる戦い方と言ってもいい。このやり方で勝ってきたのだという自負を伴ったスタイルである。試合が厳しくなればなるほど、その基準が試されるのではないだろうか。

 

強いチームは劣勢になっても冷静だ。一番可能性のあるプレイを淡々とやり続ける。1失点したくらいでバタバタと変に慌て出すこともない。築き上げてきたものがあるからだ。

 

サッカーは不確実性の高いゲームである。人体で最も器用に扱える肩から下の部位の使用を禁じられ、外天に晒された芝生の上で丸いボールを扱わなければならない。更に、22人超の1クラスほどの選手が自由に、有機的に動き回る。

 

私は趣味で麻雀を楽しんでいるが、麻雀も運の要素の強い、不確実性の高いゲームといえるだろう。そこで勝つ人も基準(バランス)を持っていて、精神的に大きく揺さぶられる状況においても、その基準に対して忠実である。

 

乱暴だが、他にも投資や人生でさえも、不確実性の高いゲームといえるのではないだろうか。厳しい状況になったときに、日本はじめ、各チームがどのような基準を魅せてくれるのか、注目したい。