ロシアW杯決勝フランス-クロアチアの感想

緊張感のある立ち上がり。チームの士気を高めるかのようにキャプテン・モドリッチが積極的に前からのプレッシングを見せる。ボールを失ってもすぐに奪い返しにいくクロアチア。エムバペに1本でもボールが出たら致命的である。

 

クロアチアがペースを掴みかけたが、1本のパスからグリーズマンが上手くファウルをもらい、FKを得る。クロアチアの弱点を的確に把握した、こちらもキャプテンの秀逸なプレーであった。


先制されることは織り込み済みであったかのように落ち着いているクロアチアモドリッチがサイドから突破を試みるとカンテがファウル。カウンターからは後ろから足が当たってしまい、イエロー。守備の要にやや不安定さが見られた。

 

そして美しいFK返し。最高!しびれる。全ゴール見てないけど多分ベストゴールだ。精度の高いパス、長い距離のランニング、粘ってつないで、かわして振り抜いて。


しかしフランスもゴールキック1本からCKを獲得。同点ゴールのペリシッチが微妙なハンドでPK献上。ぐわぁ。


後半。裏を狙いながら奪われてもすぐ寄せるクロアチア。しかし一瞬の隙でエムバペが速い速い。そして守備の要カンテの意外な交代。カードと攻撃の起点になれていなかったことが原因か。

 

相方のポグバが1人でパスして決めちゃう。最初のシュートブロックでクロアチアはボールを見失ってしまった。スバシッチの見えにくいところからシュートが飛んできた。

 

終盤のクロアチアはもう成す術がない感じで、疲れ切っていた。フランスの完勝。でもクロアチアも人口400万人の小さな国で歴史をつくった。

 

涙を浮かべていたキャプテン、グリーズマン。MVPに選出されても「無」だったモドリッチ。最後円陣を組んだクロアチアチームに感動した。

 

デシャン監督を初めて見たのは多分あのCL決勝だったと思う。2人の若きカリスマ監督の躍進が光った大会だった。プロ選手として大成することのなかったモウリーニョが一歩先に進んだかのように見えたが、10年以上の歳月を経て、歴史上3人しかいない選手・監督でのW杯制覇という偉業を成し遂げた。

 

2015年にはパリ同時多発テロ事件が起きたことも思い出される。ユーロはじめ、ビッグイベントであるサッカーの試合は開催が危ぶまれるほどの事態に陥った。とあるパリ市民が「いつも通りの生活を続ける」と言っていたのが印象的であった。自分なら部屋に閉じこもっていたくなるだろう。もっともそれがテロリストの狙いでもあるのだが。

 

あとフランスの育成方針というのも気になる。個性を際立たせて伸ばすような姿勢が見受けられるのだが、そんなことはないだろうか。デカくて巧いやつ、ちっさいけどめっちゃ動けて守備できるやつ、とにかくはえーやつなど、人間賛歌って感じでみんな生き生きしてる。少し美化し過ぎかな。

 

強烈な個と組織が調和して強いチームになっていくのだなと改めて感じた大会だった。