副露の成否基準②放銃―アソシエーション分析
副露和了に関する分析と同様の手順で放銃についても分析した。
結果と感想
信頼度(confidence)0.8、支持度(support)0.1で分析した結果、結論部(rhs)を「放銃」とするルールは得られなかった。いくつか値を調整してみた結果、支持度0.1(10%)に満たないものが多く、ここがネックになっていた。
つまり、とあるA事象と「放銃」事象が同時に起きる回数が全体の10%にも満たないということである。したがって、ルールが得られたとしても和了の時と比較して出現頻度は低くなる。
試しに支持度0.05(5%)で分析した結果、36のルールが得られた。信頼度は1、リフト値(lift)はすべて7であった。リフト値は1以上がよいとされるのだが、7は異常に高い気がする。しかし、信頼度1で放銃確率P(B)=0.14なので、1/0.14=7.14となり、信頼度が高く、P(B)が小さいためにこのような値になっていると考えられる。条件部の事象頻度を図1に示す。
和了と異なる事象
ルールの結論部を「和了」または「放銃」としたそれぞれの分析において、条件部に異なる事象があれば、その事象は和了と放銃を分けるような条件になり得る。逆に同じ事象が現われているなら、その事象は両事象を分けるような条件にはならないと考えられる。
図1より、和了と異なる事象は「1副露1段後」、「ドラ0」、「親」、「追掛副露あり」の4事象であった。
「1副露1段後」については、4~6巡目に鳴き始めているという意味なのだが、これがなぜ放銃につながっているのか解釈することが難しい。単純にこの事象の数が多いというだけかもしれない。
「ドラ0」については、自分がドラを持っていないということは他家が持っている可能性が高まるわけで、打点を理由に攻め返されやすくなり、放銃につながりやすいと考えられる。この辺は鈴木たろうプロがよく言っていることだなぁ。
「親」については、「子」→「和了」なのに、「親」→「放銃」という結果になった。親番で副露して損している様子が現われている。前回同様、親はリーチが基本!ということである。
「追掛副露あり」については、「追いかけリーチあり」ではないところが面白い。事前の予想では追いかけリーチがきて放銃していると思っていたのだが、副露に対しての方が放銃しているとのこと。これは恐らく、リーチに対しては聴牌が明確だし、打点的リスクもあってベタ降りすることが多く、結果放銃は少ないのだと考えられる。
追いかけ副露に関しては、リーチよりも警戒感が薄れていて、聴牌気配も上手く読み取れないし、ケアしていない(できていない)ことが現われていると思われる。相対速度を合わせるために副露してきているとも考えられるが、打点や待ちに自信があるから攻め返してきているわけなので、当たり前なんだけど注意を払う必要がある。自分が動いたら他家の反応を見極める。
和了と同じ事象
「先制リーチなし」はそもそも先制リーチがないから副露しているという、前提条件が現われているだけのようである。「先制リーチあり」の状況から副露して和了するには相当な良形か技術が必要だと思うので、稀なケースといえる。
「追掛リーチなし」については、追いかけリーチがないから和了できているということと、追いかけリーチがなくても追いかけ副露もしくは闇聴に放銃するという意味が現われているようである。そういえば闇聴のデータを取り忘れていた・・・。
配牌の様子として、頭と両面ターツがあることは和了でも放銃でも同じで、副露するときはそこそこ整った形から鳴いているという意味だと思われる。
ということで、親はリーチ、追いかけ副露に注意の2点を今後のプレイングに活かしていきたい。また、この分析は過去の自分の成功事例を要約しているだけであり、よくいえば麻雀が整理されるのだが、悪くいえば縮こまるということなので、積極的に色々な打ち方を試すことも忘れないようにしたい。
今後調べたいこと
ルールの結論部に「他家和了」を設定した分析も行い、これまでの分析と比較検討してみたい。また、リーチに関する分析、リーチと副露のどちらを選択すべきかといった基準についても調べてみたい。
参考文献・サイト
秋光淳生(2016)データの分析と知識発見 放送大学教育振興会