サッカー日本代表コロンビア戦の感想

2019年3月22日 日産スタジアム 親善試合

 

日本は立ち上がり非常にハイペースで入って主導権を握る。素早い寄せでボールを奪い、RSB室屋の積極的な攻撃参加からチャンスをつくる。ただ、室屋のクロスには信頼感があったのだが、この日は少し精度を欠いた。

 

一方、コロンビアは新監督になって日が浅い。日本の激しいプレッシングの前に連携ミスを多発し、守勢に回る場面が多かった。その中でも個の能力の高さを見せて、少しでも隙を与えると決定的なチャンスをつくっていた。

 

さて、この試合の最大の関心事は大迫がいないときにどうやって攻撃を組み立てて点を取るのかということだっただろう。体格的には似ている鈴木武蔵が起用され、ポストプレーから南野のフィニッシュにつなげたシーンや、裏に抜け出してかわせればGKと1vs1という状況もつくることが出来ていた。中島のクロスにプルアウェイでDFから距離を取りながらヘディングシュートに至ったシーンは決めなければいけなかったし、せめて枠に飛ばして欲しかった。

 

枠内シュートという意味では、堂安、南野、中島もシュートは打つものの、ことごとく枠に飛ばなかった。もたつくコロンビア相手にあれだけ主導権を握れていたのだから、自分たちの時間帯に1点取らなければいけなかった。

 

ショートコーナーを使っていたのは少し工夫が見られ、よかったと思う。アジアカップでは単純に中に入れるだけであまり工夫がなかった。限られた召集時間で凝ったプレーを作り上げるのは、怪我も伴い易いセットプレーでは難しいのかもしれない。ただ、精度の高いキッカーもいるし、CBの高さも魅力的なはずだ(富安はヘディング得意ではないらしいけど)。

 

ベネズエラ戦のときにも書いたが、中島があまり戻って来てくれないので後半途中からハメスが右に来て、中島と佐々木の間のスペースを使い出した。そこからコロンビアペースになり、右サイドからの鋭いクロスに不運なハンド判定を取られて失点。ロシアW杯のサンチェスのハンドとは比較にならない。中島は守備時に前に残るなら乾のようにパスコースを切るとか、何らかの工夫が必要だろう。

 

交代で入った小林がよかった。レフティで鋭く変化する精度の高いキックが蹴れる。中盤の低い位置からミドルレンジのパスでブロックの裏を狙うパスなど、相手の目先を変えた攻撃が出来ていた。柴崎にああいうパスを前半からもっと出して欲しかったところ。

 

香川は交代で入ってよかった印象がない。先発の方がいいのでは。トルコでは好調だが、この日はビハインドの状況からの出場であったためか、やや空回り感があった。若い選手が活躍していることで、ベンチがとても豪華になったなと感じる。

 

大迫なしでどうやって点を取ったらいいだろう。いっそのことトップがいないならそこは空けておいて、一時期バルサでやってたようなゼロトップにしてみてはどうだろうか。

フォーメーション

セントラル2人の負担が心配だけど、点を取るならこういう形の方が可能性を感じる。ペナルティエリアを取り囲むように位置し、ゴール前の最も危険なエリアはあえて空けておいて、ステルス的にエリア内に侵入すれば、相手DFも捕まえづらいだろう。高さ不足を補うなら山口のところに富安を上げてもよさそう。

 

次はボリビア戦。今のメンバーで今後に期待が持てるようなゴールが見たい。