【コパ・アメリカ】サッカー日本代表-チリ戦の感想

2019年6月18日(日本時間)、エスタジオ・ド・モルンビーでサッカー日本代表vsチリ代表のコパ・アメリカ、グループC初戦が行われました。日本は決定機をつくりましたが決め切ることができず、逆にチリに得点を許し0-4で敗れています。この試合について簡単に振り返ってみます。

試合の概要

CONMEBOLから公式記録を見つけられなかったのでDAZNGoogleの結果をそれぞれまとめておきます。

日本 チリ
44% 支配率 56%
14 シュート 15
3 枠内 7
77% パス成功率 82%
70% 敵陣パス成功率 76%
18 敵陣PA内タッチ 30
8 CK 7
44% デュエル勝率 56%
0 オフサイド 1
16 ファウル 15
2 警告 1

DAZNより筆者作成

日本代表vsチリのスタッツ

Googleより

スコア上では大敗なのですが、スタッツを見ても押され気味の展開ながら大差はないですし、勝機は十分にあったといえます。

日本のフォーメーション

日本代表のフォーメーション

日本はフレッシュな4-2-3-1の布陣で臨みました。最近の選手がわからないのですが、GK大迫についてはJリーグの原専務理事が若いが冷静で落ち着きがあって期待のGKと高く評価していましたね。1)

ボランチのシステムは、柴崎が低い位置から長いパスで組み立てて、相方の中山がときおり持ち上がって攻撃参加するような関係でした。

対するチリは経験のある選手がそろった4-3-3の布陣でした。3トップは左からサンチェス、バルガス、フエンサリダ、中盤はセントラルにビダルとアランギス、アンカーにプルガル、DFラインはボーセジュール、マリパン、メデル、イスラ、GKアリアスとなっています。

中島の功罪

以前から同じことを書いているのですが、中島がカウンターに備えて高い位置を取っているので、日本は左サイドを攻められるとどうしても弱くなってしまいます。

ベネズエラ戦のときにも書いたが、中島があまり戻って来てくれないので後半途中からハメスが右に来て、中島と佐々木の間のスペースを使い出した。そこからコロンビアペースになり、右サイドからの鋭いクロスに不運なハンド判定を取られて失点。(中略)中島は守備時に前に残るなら乾のようにパスコースを切るとか、何らかの工夫が必要だろう。

コロンビア戦の感想より

選手が大幅に入れ替わった上に短期間で攻撃の形をつくることは難しいと考えられるため、格上の相手に個の突破力やカウンターでチャンスをつくろうという狙いは納得できます。中島の突破力はその点で魅力的であり、日本のストロングポイントといえます。しかし、同時に相手に有効なスペースを与えるウィークポイントにもなっています。この点において、日本代表はいまだに最善のバランスを見出せていないことが浮き彫りになりました。

チリはその隙を突いて右サイドで攻勢を強め、対応する左SB杉岡は終始アタッキングサードで不利な状況に追い込まれていました。前半中盤からこのような状況が断続的に続き、もっとも失点したくない時間帯の前半終了間際の41分、ついにCKから失点してしまいました。

上田はおもしろい

失点した日本は43分、チリのビルドアップを狭いサイドに追いやったところからチャンスをつくります。サンチェスがライン際のパスを残そうとしたところに右SB原がプレッシャーをかけミスを誘うと、こぼれ球を柴崎がダイレクトで前線にスルーパス。これに反応して抜け出した上田がGKと1vs1になりますが、惜しくもかわし切れずシュートはサイドネットへ。しかし、チリ相手に決定機をつくりました。

2失点目を喫したあとの後半11分、右サイドでボールを奪った柴崎がアーリークロス。ボールウォッチャーになっている相手DFの視界から消えるようにポジションを取った上田がフリーで合わせますがまたも枠をとらえられず。

上田は少し前でいうと元日本代表の柳沢 敦氏に近いタイプにも感じました。ボールのないところでのポジショニングや動き出しに長けており、DFの死角やわずかなスペースを使うのが巧いですね。今の代表の攻撃陣はボールを持って仕掛けるタイプが多いので、こういったタイプのFWが加わると攻撃の幅が広がるでしょう。そしてそこを中長距離からでも見逃さない柴崎の視野の広さとロングパスの精度が素晴らしかったです。

まとめ

森保監督が掲げるように、今大会は若手の成長のために世界レベルを体感させることが目的なのでしょう。代表チームで若手の成長を主目的に据えることの是非には深入りしませんが、フル代表を押し上げてくれるような選手が出てきてくれることを願うばかりです。

参考

1)Jリーグをもっと好きになる情報番組「JリーグTV」明治安田J1第8節編